茨城県の日立と筑波に伝わる民話です。
昔、天竺の旧仲国に霖威大王という王がいました。娘の美しい金色姫は
継母に命を狙われ、王は桑の大樹で作ったうつぼ船に姫を乗せ逃がします。
海に揺られてまさかの茨城に漂着。夫婦に拾われ可愛がって育てられるも
衰弱していて看護のかいなく死んでしまいます。夫婦は姫のなきがらを
遺言のとおりにうつぼ船に乗せました。すると翌朝、姫は消え一匹の蚕が。
桑の葉を与えるとやがて眠ったよう動かなくなってしまい、夫婦の夢に現れ
「天竺で受けた疲れを癒すため、4度眠ります。」と告げました。
継母に獅子吼山、鷹群山、海眠島と3度捨てられそして最後に庭に埋められた
苦しみを4回あらわしながら蚕は眠りにつき金色の透き通るような体になり
美しいまゆをつくりました。インドの姫が茨城に来るなんて面白いです。
東北のおしらさまの伝承に同じ4度の眠りのくだりが見られます。
不思議な船に異国の女性ときてピンとくる有名なミステリーがあります。
江戸時代に広まったうつろ舟です。似ていると思ったらすでに言及されてました。
なんにせよエキゾチックな民話でとてもお気に入りです。